ケリー伊藤が指導するインターネット上の英語学習
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プレイン・イングリッシュで英語を発信せよ!
今アメリカの企業に必要とされている英語
「わかりやすい日常表現で、文章は短く法律・専門用語はもちろん、受動態や二重否定もだめ」米国証券取引委員会(SEC)は10月から新ルールをもうけ、米企業などに対して「プレイン・イングリッシュ」(平易な英語)を使った情報開示を義務付けました。
アメリカ人にとっても「プレインイングリッシュ」を使うことが "a must" になってきたわけです。
プレインイングリッシュって何かというと
それでは、プレイン・イングリッシュは何かと聞かれると、少々困るんですが、こうですという形はないんです。よく混同されるんですが、ベーシック・イングリッシュのように、動詞は何語しか使わないとか、そういう決まりはないんです。一言で言えば、英語を母国語としている人ならだれが聞いてもわかる英語ですね。日本の英語学習者に則して言えば、中学3年までで学んだ単語で十分です。専門的なことを言うときには、テクニカルタームを使うこともありますが、構文自体は難しい構文は使わないということになります。
発信の英語は中学3年までの単語で出来る
プレイン・イングリッシュというのは、だれが読んでも聞いても、こちらの言いたいことがきちんと伝えられる英語のことです。発信を中心にしたコミュニケーションの英語といえます。いろいろなバックグランドを持った人たちがコミュニケーションするときに、プレイン・イングリッシュが不可欠になってくるわけです。一番良い例はアメリカ大統領のスピーチと言えます。
プレインイングリッシュ運動
情報開示の観点で今回の米国証券取引委員会(SEC) の新ルールが出されたのですが、プレイン・イングリッシュの運動はアメリカでは、1950年代の初めに始められました。ルドルフ.フレッシュという人が、その当時出回っている官公庁の文書が一般人が読んでもよくわからなかったので、これを何とかしたいということで考案したものです。アメリカの場合、文字を読めない人もいるという事情もあります。それから、プレイン・イングリッシュと言うと、アメリカのものというイメージを持たれがちですが、実はイギリスでも50年代からあり、アーネスト・バウアーズという人が、『The Complete Plain Words』という本を出しているんです。
カーター大統領が大統領令にした
その後、70年代後半になって、カーター大統領が大統領令を出して、連邦職員が書く文書は簡潔な表現でなければならないという方針を出したんです。以来、プレイン・イングリッシュという考え方は、アメリカではあたりまえのことになりました。たとえば弁護士を目指す人は、ロー・スクールに入ると必ず1年目にプレイン・イングリッシュ・ライティングの本を手渡されて、勉強させられます。旧来のように法律家にしかわからないような文章を書いていてはいけないということで。
日本人のビジネスレターは古い
特に、ビジネス.レターは完全に様変わりしましたね。特にE-mailは簡単そのものです。大変残念なんですが、日本で出ている英文手紙の書き方のたぐいの本は、実際のアメリカの現状からすると、10年以上遅れています。
学校で学んだことを生かす方法
みんな社会に出たら、「ビジネス.イングリッシュ」を別に学ばねばならないと思いがちですが、それは間違いです。英語は英語であり、英語の骨格を形成する部分にビジネス・イングリッシュとかコンピューター英語という区別はないのです。専門的な単語はそれぞれ違いますが、辞書を引けば出ているような表現の修得に時間と労力を使いすぎていると思えます。プレイン・イングリッシュが日本人に非常に適している点は、日本人は誰でも義務教育である程度英語は学習しているので、中学でやった英語をreview することによって潜在的に持っているものをさらに高めて英語力をつけることが出来るからです。その方が結果的にはずっと近道なのです。
500語の単語力で言いたいことが言える
ひとつ例をあげると、日本の大学受験生は英単語を数千語覚えていると言われていますよね。一流大学に入るには5000語知っていなければいけないとか。ところが、アメリカの 3,4 歳の子供というのは知っている語数というのは、500語くらいです。ところが、500語でも親に口答えができるんです。このあたりにコミュニケーションの手段としての英語を学ぶカギがあります。そう言うと、プレイン・イングリッシュとは幼稚な英語じゃないかという誤解を招くかもしれません。そうじゃないんです。基本的な単語を本当の意味で使いこなせるようになることが必要だということです。基本的な動詞に限らず、誰でも知っているような"fine"という単語ひとつにしても本当の意味を把握している方は少ないのです。"fine"は"I'm fine, thank you." という挨拶ぐらいにか使えないのですが、本当はもっといろいろなことが言えるのです。

たとえば、もう亡くなってしまいましたが、レイモンド・カーバーという作家はアメリカの文壇では非常に高い評価を受けていますが、彼の文章は文は短い、単語は中学生レベルの単語ですね。それでも登場人物の内面的なものが非常に奥深く表現されている。だから、決して使う単語の数ではなくて、どこまで深く掘り下げて表現できるかということなのです。

インプットをするには?
プレインに表現するためには、まず簡単な英語の表現をたくさんインプットしておく必要があります。これは、自分一人でもすぐ始められる学習です。「絵本?」と思われる方もいるかもしれませんが、まずは英米で出ている絵本をごらんになってください。そのときに、例えば"He will make a good pet." という文章があったら、この"make"は何と日本語で言うのだろうと、簡単な単語が何を言っているのかという問題意識を持ちながら読んでいくんですね。そうすると、今まで見過ごしていたものが見えてきます。

次に、アメリカやイギリスの小学生高学年の生徒が読むような小説。洋書店に行くとたくさん並んでいます。雑誌ならReader's Digest 。最初は全部じゃなくて、いろいろな記事の中から自分が気に入った記事をひとつだけ選んで徹底的に読む。その際に、これは、という表現があればノートにとる。そして自分なりのフレーズ・ブックを作って表現力を増やしていくというのがいいと思います。

USA Today を教材に使う
Reader's Digest や USA Today(http://www.usatoday.com/) には、インタビューやディベートのコーナーが必ずありますから、会話の勉強にも十分に利用できます。それに、今のアメリカのライティングは、Write the way you talk.(話すように書く)と言われるように言文一致ですから、書くのも話すのもほとんど変わらない。もちろん、スラングなんかは書き言葉には使わないんですが。最新のアメリカの情報通になれるのも魅力ですね。
映画、ビデオで上達できる
会話ということなら、ビデオが最適です。題材としてはアメリカの普通の日常が描かれているもの。だから、家族のものとか、軽い恋愛コメディーのようなものがいいですね。

ビデオを見ているとですね、絶対にアメリカ人は初対面で"How do you do? "と言わないというのがわかるわけですよ。これ、いまだに、日本で出ている英会話本に載っているのは不思議です。

それに最近は、画面下に英語が出る、クローズド・キャプションのものもありますしね。高価な英会話のテープを買うよりも、ずっといい。ビデオもだらだら見てもダメなんで、これだと思ったものを繰り返し繰り返し見るのがいいでしょうね。最近では、『ミセス・ダウト』とか『ホーム アローン』、『ライアー、ライアー』のような、普通の平均的アメリカが描かれているもので、自分の気に入った俳優が出ているものを利用されるといいでしょう。

企業人にはeducated な英語が必要
ぼくが企業研修をすると、受講生の中には、「うちはアメリカ人が相手ではなく、東南アジアだ。だから、向こうも英語は母国語じゃないし、こちらも母国語じゃない。アメリカ人が使うような英語を使う必要はない」と言う人がいるんですが、それは全くの間違いです。日本の企業の方が相手にする東南アジアの方々はほとんど東南アジアでは上層階級の人々なんですね。そして、そういう人たちは、英米で教育を受けているケースが多い。彼らときちんとビジネスをしていくためには、プレイン・イングリッシュであるとともに、educated English を使う必要があります。東南アジアだからきちんとした英語じゃなくていいんだというのは、ひどい思い上がりだと思いますよ。
公用語としての英語と外国語としての英語は違う
シンガポールのリー・クアン・ユー前首相は世界的に尊敬されている方ですが、彼の英語はなまりはありますが、educated English で、きちんと自分の意見を述べることができます。

インドにはインドの英語が、シンガポールにはシンガポールの英語がある、だから日本には日本の英語があっていいんじゃないかということを英語教育の指導的立場の人が言っているのを耳にすることがあります。それは問題のすり替えです。インドでもシンガポールでも英語は公用語です。日本でも英語が公用語になっているのならば、日本バージョンの英語があっても良いと思いますが、日本ではあくまでも英語を外国語として学んでいるわけですから、きちんとスタンダードなものを目指さないといけないと思います。

究極の学習法は?
最後の一言。言葉に上達しようと思ったら、言葉に対する関心がないとダメですね。たとえば、日本語の表現を見ても、これは英語でどう表現するかと考えるように、絶えず関心を持っていることが大切です。だから、母国語において鈍感な人は絶対外国語に上達しません。語学を勉強することを決めたのなら、母国語のレベルからまず、つきつめていく姿勢がほしいですね。